知っておきたいブランド時計の風防(ガラス)のこと

知っておきたいブランド時計の風防(ガラス)のこと

風防(ガラス)は、ブランド時計の顔であると言えます。これがちょっと違うだけでも、ブランド時計の美しさが大きく異なります。あなたはこれまで、ブランド時計を買うときに「風防」まできちんとチェックしていましたか?風防の違いを知ることで、新たな発見がありますよ。

そもそも、ブランド時計の風防とは?

風防とは、「文字盤を覆っている、透明な板状のカバー」のことです。
風防の種類は次の3種類です。

  • ミネラルガラス
  • アクリルガラス
  • サファイアクリスタルガラス

このうち、本物のガラスはミネラルガラスのみ。アクリルガラスはプラスチックであり、サファイアクリスタルガラスは鉱物の結晶となります。
後ほど種類ごとの特徴を詳しくお伝えしますが、どのような素材なのかについて、ここでも簡単に触れておきます。

ミネラルガラス(素材:ガラス)

  • お手頃価格のブランド時計に採用されやすい
  • 安価で加工しやすいのがメリット
  • 光が反射しやすいのがデメリット
  • モース硬度は「3~6」

アクリルガラス(素材:プラスチック)

  • 1950年代前後の主流であった
  • ヴィンテージ感を狙えるのがメリット
  • 傷がついて、割れやすいのがデメリット
  • モース硬度は「2」

サファイアクリスタルガラス(素材:鉱物の結晶)

  • 高級ブランド時計に使われやすい
  • 無色透明の輝きで、傷つきにくいのがメリット
  • 強い衝撃により割れると、破片が激しく飛び散るのがデメリット
  • モース硬度は「9」

モース硬度とは、「引っかいたときに、どれだけ傷がつくのか」を示したものです。10種の基準となる鉱物と比較することにより、鉱物の硬度がどの程度なのかを判別します。また、モース硬度は鉱物学以外にも、製造業、ジュエリー業界、歯科医療の分野などで取り入れられているのです。

硬度1【つるつるした手触り】
硬度2 【指の爪でかろうじて傷をつけられる】
硬度3~4【硬貨で何とか傷をつけられる】
硬度5~6【カッターで何とか傷をつけられる】
硬度7~8【水晶でこすると傷がつく】
硬度9 【トパーズやキャッツアイに傷をつけられる】(トパーズ:8 キャッツアイ:8.5)
硬度10 【地球上にある天然物、ダイヤモンドのみ。人工物の中で最も硬い】

風防にどの素材を使うかは、メーカーの判断によって決まります。コストを優先するのか、デザインを重視するのか、それとも高級感で勝負するのか。風防一つをとってみても、こだわりがあるのです。

それでは、各素材の違いについて、以下で詳しくみていきましょう。

オールマイティーな活躍を見せる、ミネラルガラス

何も加工を施していないミネラルガラスは、傷がつきやすく、割れやすい素材です。そればかりか、光が反射しやすく、時刻を確認するときにとても不便です。
しかし、ミネラルガラスの魅力は「加工のしやすさ」にあります。傷がつきやすく割れやすいのであれば、強化ガラスにすればいいのです。光の反射を抑えたい場合は、コーティング加工すれば問題ありません。特殊加工を施しても、コストを抑えられるという強みもあり、多くのブランド時計に採用されています。

高級なブランド時計に採用できる光沢とまではいきませんが、カジュアルウォッチの間で普及するほど、ミネラルガラスはコストパフォーマンスに優れているのでしょう。

アンティークやレトロの定番、アクリルガラス

アクリルガラスは透明なプラスチックで作られるため、「プラスチックガラス」と呼ばれることもあります。また、ミネラルガラスを「無機ガラス」と呼ぶのに対して、アクリルガラスは「有機ガラス」と呼ばれることも。商標名で「プレキシガラス」と言う人もいるようです。
そんなアクリルガラスは、軽くて変形させやすいのが特徴です。1940年代~1960年代には、ドーム型の風防が流行しました。そのときに使われていた素材はアクリルガラスです。昔ながらの丸い形がイメージとして残っているためか、アクリルガラスにはヴィンテージの付加価値がつけられるようになりました。

とはいえ、レトロなデザイン以外で安易にアクリルガラスを取り入れると、安っぽく見えてしまうかもしれません。経年変化を楽しめる素材として、これからも受け継がれていくのではないでしょうか。

変わらない美しさを秘めた、サファイアクリスタルガラス

サファイアクリスタルガラスの魅力は、抜群の強度と、鉱石ならではの美しさです。つまり、傷がつきにくく、高級感のある印象を与えてくれます。
「いつまでも買った時の輝きを保てる」ともいわれるサファイアクリスタルガラスは、アップル社のアップルウォッチに使われていることもあり、ますます注目が集まってきているのかもしれません。

しかし、サファイアクリスタルガラスは、これまでのミネラルガラスやアクリルガラスとは異なり、加工が容易ではありません。たとえば、サファイアクリスタルガラスの風防をドーム型に変形させる『カーブドサファイア』。こういった技術を施したブランド時計は、だいたい数十万~数百万円かかるでしょう。
2017年の大傑作とささやかれる、ボヴェの『リサイタル20 アステリウム』の風防にも、カーブドサファイアが取り入れられています。そのお値段、なんと4,850万円(税別)。サファイアクリスタルガラスを加工するのに、いかに技術力を必要とするのかがお分かりいただけたでしょうか。

【加工技術】文字盤が見やすくなる、無反射コーティングについて

風防の加工技術に関して、もう一つ知っておきたいのが、「無反射コーティング」です。

無反射コーティングとは、「シリコン素材などによる光の反射を防ぐ膜」と「水をはじく撥水膜」をガラスの両面に貼ることで、文字盤(ダイヤル)がより見えやすくなる技術をいいます。
光の反射を抑える必要があるのは、ミネラルガラス(素材:ガラス)とサファイアクリスタルガラス(素材:鉱物の結晶)です。アクリルガラス(素材:プラスチック)は光の透過率が高い傾向にあるため、「光の反射で時刻がよく見えない……」といった悩みとは無縁です。

また、無反射コーティングが施されている場合、いつかはメンテナンスをする必要があるということも頭の片隅に入れておいてください。
無反射コーティングは、風防の上に直接膜を覆う技術です。そのため、ブランド時計を使っているうちに、コーティングが剥がれてしまいます。さらに、剥がれてしまった無反射コーティングの上から、もう一度膜を覆うのは難しい作業といわれています。ガラス自体を交換するか、コーティングをすべて剥がさなければなりません。
安価なミネラルガラスならば、そこまでコストはかからないでしょう。しかし、高価なサファイアクリスタルガラスで大がかりなメンテナンスを行うと、想像以上に金銭的な負担がかかることを覚悟しなければなりません。

サファイアクリスタルに無反射コーティングを採用するのは、視認性の高さが重要な「パイロットウォッチ」や「ダイバーズウォッチ」です。高級ブランド時計の特殊なモデルを買おうとしている方は、維持費用も考慮したほうがいいでしょう。

【メンテナンス】風防の交換にはいくらかかる?

コーティングが剥がれたり、衝撃により破損したりした場合は、風防を交換しなければなりません。風防が割れたまま放置すると、文字盤や針が空気にふれて、サビついてしまいます。機械内部にまで不具合が生じる恐れあるので、早急に交換しましょう。

基本的には、メーカー純正のパーツ交換となります。相場はアクリルガラスで10,000円、ミネラルガラスで15,000円、サファイアクリスタルで20,000円といわれていますが、風防の品質によっても変わってきます。メーカーに問い合わせるか、お近くの時計修理店に相談しましょう。私たちHAPPYSIDEでも、当店の製品をお買い上げいただいたお客様に修理サポートをご提案しております。何かお困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。

自分好みの風防は、ブランド時計選びに欠かせない

風防にこだわるだけでも、ブランド時計の見栄えがかなり変わってきます。
お手持ちのモデルの風防を変えてみたり、新しくブランド時計を買うときに風防のデザインに注目してみたり……。
素材によってはメンテナンス費用が高くついてしまうこともありますが、ブランド時計の美しさを引き立てる大事な要素ですから、これもブランド時計をもつことのひとつの愉しみだと言えるでしょう。
あなたにぴったりの風防が見つかるといいですね。HAPPYSIDEでは、お客様に合うコーディネートを常日頃から考えております。何かありましたら、いつでもお声がけください。


こちらの記事もどうぞ
カップルや夫婦、そしておひとりさまでも、ペアウォッチを買わないのは損である理由

カップルや夫婦、そしておひとりさまでも、ペアウォッチを買わないのは損である理由

大切なパートナーへの定番プレゼントのひとつが、ペア…

コメントなし
大切なのはイメージ!? 7つのシーンを想定したブランド時計の選び方

大切なのはイメージ!? 7つのシーンを想定したブランド時計の選び方

あなたは自分に合ったブランド時計を見つけることがで…

コメントなし
あなたの手首の変化に気づいてくれる人はいますか?

あなたの手首の変化に気づいてくれる人はいますか?

新しいブランド時計を買ってみた。 話題のオシャレな…

コメントなし

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。